まきのとおる物語

ドラマチックに憧れるしがないサラリーマンの青春ストーリー

第4話「ふたつのキーワード」

ノートには『海外』『外国語』というの二つのキーワード。ここからどうやって膨らませようか少し悩み中な自分。

 

「ふ〜む、いきなり海外に行くってのはちょっと……」

 

いきなり海外に行ってチャレンジ!っていうのも非常にカッコいいが、僕にはお金もないし時間もない、いやこれは単なる言い訳で、今の僕にはそんな根性がないのだ。

 

「これは後回し!!」

 

次のキーワードは『外国語』

 

なぜだか知らないが、多くの人が勉強したいと思っているものの一つであり、その大半は恐らく挫折してしまう学習の一つ。何を隠そう今の僕もそのうちの一人。

 

「なーんか魅力あるんだよなぁ……」

 

その魅力は一体どこからくるのだろう?

 

あくまでも自分のイメージだが、やはり外国語というのは非日常的で華やかな、もしくは刺激的な世界で使われるツールの一つだからではないだろうか。

 

多くの人は外国語を学習することで、その非現実的な世界に少しでも触れることができるとなんとなく分かっていて、とりあえず外国語学習に手を出しているのだと思う。

 

「あくまで持論だけどもね……」

 

しかしながらその外国語学習、自分の場合その大半を英語に費やしているが、中学校から習い出して大学までおよそ十年以上費やしていることになる。年数にすればかなりのものだが、それで英語を話せる自信があるかと言われれば……。

 

「……ないなぁ」

 

今外国人に「How are you?」と言われても、自分は「I'm fine.」とだけ言ってその後はひたすらシドロモドロ……とてもじゃないけど会話どころじゃない。

 

再度、過去の日記を読んでみると、至る所に外国語学習の勉強の跡が残っている。考えてみると大学のときも、海外の言葉を話したいと思って単語や文法を覚えようと努力したし、社会人になったばかりの頃もそれなりに熱を入れて勉強していたような気がする。しかし、そのいずれのときもいまいち成果が上がらず、しまいにはやらなくなってしまった。

 

しかしながら、「外国語を話せるようになりたい」という想いは、不思議なもので今でもずっと頭の片隅に住み続け、自分に小さなプレッシャーを与えている困ったストレスになっている。

 

外国語を話している自分というのが、理想の自分なのだろうか?

 

「確かに話せればカッコいいけど……」

 

とりあえず、ノートに『外国語』の下に『理想の自分?』と書いておく。