まきのとおる物語

ドラマチックに憧れるしがないサラリーマンの青春ストーリー

第10話「私の妄想台本 〜コーヒーショップでの出会い編〜」

妄想はひたすら続く。
 
 
 
〜前回までの妄想台本〜
 
 
 
カフェで偶然出会った外国人女性に思い切って声をかけてしまった僕! さぁ、妄想台本が本格的に始まります!
 
 
 
 
 
僕「あの~、すみません……」
 
 
 
彼女「はい、なんでしょう?」
 

 

 
僕「カフェラテありがとうございました。と……とても美味しいです」
 
 
 
僕「まぁ、ですけど、いきなりコーヒーが手から飛び出すなんてビックリですよ~。あははは!」
 
 
 
彼女「なんと言ったらいいかよく分からないんですけど、気がついたら……てから滑り落ちてて、その~、あなたにかかっちゃいました」
 
 
 
僕「へぇー、気がついたらですか、何だか良く分かりませんけども不思議なことがあるもんなんですねー」
 
 
 
彼女「その……。私ちょっとだけおっちょこちょいな所もあって……本当にすみません。」
 
 
 
僕「あぁ、まあ別に大丈夫ですから、ほんとに……どうせブランドとかでもないですし。」
 
 
 
僕「えーと……日本には長く住んでるんですか? あっ、その前に自己紹介か……ぼ……僕の名前はトオルって言います。えーと……はっ、はじまして! 」
 
 
 
彼女「はじめまして、トオルさん。私はシャーロットです。日本にはまだ住んで半年ぐらいですね。」
 
 
 
僕「シャーロットさん……日本語は……?」
 
 
 
彼女「あー、ごめんなさい。全然出来ないです。おはよう……美味しい……とかその程度ですね。」
 
 
 
僕「あ、ですよねー。やっぱり難しいですか?」
 
 
 
彼女「うーん、そうですね。一応、日本語の勉強はしてはいるんですが、なかなか……」
 
 
 
僕「結構ややこしいですもんね……日本語は」
 
 
 
彼女「そうなんですよ……」
 
 
 
僕「……えーと、シャーロットさんは、日本に来る前にはどちらにいらしたんですか?」
 
 
 
彼女「えーと、ニューヨークに住んでいました」
 
 
 
僕「ニューヨーク! すごい!」
 
 
 
彼女「あはは、有名ですよね。正確に言うとニューヨークの大学に通ってて……」
 
 
 
僕「あっ、まだ学生さんなんですか?」
 
 
 
彼女「そうなんですよ。まぁ、休学中なんですけどね」
 
 
 
僕「なるほど、それで日本に来たわけね。いいなぁ、ニューヨークか……」
 
 
 
僕「やっぱり楽しい?」
 
 
 
彼女「うーん、どうでしょうかねぇ。まぁ、遊ぶところがたくさんありますけど……」
 
 
 
僕「うーん、ニューヨークって言ったら、僕の中では楽しそうなイメージしかないなぁ。映画とかもニューヨークが舞台とかにもなっているし……」
 
 
 
彼女「映画お好きなんですか?」
 
 
 
僕「結構好きかもです。まぁ、最近は仕事でちょっと忙しくてあんまり見てないですけど、学生のときはジャンル関係なくみてたなー」
 
 
 
僕「こう見えて、意外にラブコメとかも好きなんですよ」
 
 
 
彼女「そうなんですか、男性なのに珍しいですね。私も好きですよ、恋愛系の映画……そうだな、ノーラエフロンの映画とか結構好きかなー」
 
 
 
僕「ユーガットメール! ……あれっ、違いましたっけ?」
 
 
 
彼女「わぁー、良く知ってますねー! あれは私のお気に入りです、クリスマスになるとなんか見たくなっちゃいますよね」
 
 
 
僕「メグライアンかわいいよね」
 
 
 
彼女「間違いないです!」
 
 
 
僕「なんだろ、自分も好きな映画だけど、あの……普通の男女が、最初は嫌いなのに、段々とお互いのことが好きになっていくっていうのがいいよね」
 
 
 
彼女「そうそう、ものすごい大恋愛じゃないってところが、逆に現実的で親近感湧いちゃうんですよね」
 
 
 
僕「何気にジュリーアンドジュリアも好きだよ」
 
 
 
彼女「あー、私もこのあいだ見ました。料理系の映画はなんかいいですよねー、そしてエイミーアダムスが可愛すぎる」
 
 
 
僕「あの可愛さはズルイわ。あの最後のシーンのあるじゃん?」
 
 
 
彼女「えっ、どこですか?」
 
 
 
僕「ほら、最後のさ……あれはジュリーのアパートの屋上かな? ジュリーが作った料理をみんなで屋上で食べるシーンがあったの覚えてない?」
 
 
 
彼女「あー、はいはいはい。思い出しました、思い出しましたよ!」
 
 
 
僕「思い出した? あのシーン本当に好きだわ、自分。料理もそうだし、その屋上のデコレーションっていうのかな、テーブルにはキャンドルとか花とかが飾ってあって、なんか照明も素敵なかんじで……めちゃくちゃおしゃれだったよね。」
 
 
 
彼女「ロケーションもよかったですよね! ちょっと待って、携帯でそのシーンを調べてみていいですか」
 
 
 
僕「どうぞ、どうぞ」
 
 
 
彼女「確かにいいですね、この雰囲気。背景の橋もまたいい感じにロマンチックで……」
 
 
 
僕「あれは舞台はニューヨーク?」
 
 
 
彼女「どうだったかな? 覚えてないです、ちょっと調べて見ますね……」
 
 
 
僕「あー、いいよいいよ! そこまでしなくて」
 
 
 
(ここで僕の携帯の着信が鳴る)
 
 
 
僕「おっ、友達からだ……。ちょっとすみません」
 
 
 
彼女「あっ、どうぞどうぞ」
 
 
 
僕「すみません、実は友達とご飯の約束をしてまして」
 
 
 
彼女「えっ、そうだったんですか? それじゃあ、尚更ごめんなさいでした」
 
 
 
僕「ん? 何がですか?」
 
 
 
彼女「「えっと、そのー、服のことです」
 
 
 
僕「あー!もう話に夢中でそんなこと忘れてましたよ! だから全然大丈夫ですって~」
 
 
 
僕「それより……その……すごく楽しかったです! なんていうか…シャーロットさんといろいろ話せて」
 
 
 
彼女「ほんとですね! 私もすごく楽しかったです!」
 
 
 
僕「ありがとうございます! それじゃあこれで」
 
 
 
彼女「はい、友達と楽しんできてくださいね!」
 
 
 
 
 
〜妄想終わり〜