第5話「コーヒーおかわり」
いつの間にかお昼になり、少しお店がざわついてきた。
「あれま、コーヒーがない」
カウンターに行き、二杯目を注文する。甘いのを飲みたいと思い、二杯目はカフェラテにした。
砂糖を多めに入れて甘めのカフェラテをすすりながら、ノートを眺めてまた考えてみる。
『外国語』をやることが『理想の自分』になれる……のかもしれないが、やはり問題は……。
「どうやって外国語を勉強すればいいかねぇ……」
一生懸命やって挫折。また思い立って一生懸命勉強しても、それまた挫折してきた今までの自分。これからまた始めるにしても果たしてうまくいく方法があるのか、ましてや学生時代の頃よりも余裕がない現状。今回の想いもまた挫折で終わってしまうのでは……ついついネガティブに考えてしまう。
「大体、勉強というのが僕には向いていない!」
相変わらずの情けなさ! 愚痴はまだ続く。
「単語とか文法の暗記とか、あとは試験のための学習ばっかりでさ」
「別にテストで良い点をとることが、僕の理想じゃないし……」
ほとんどが言い訳ばかりだ。
「でも、なんというか……こう、もっとさ、楽しく出来ると思うんだよね」
「楽しく出来れば、僕はイケるね!」
「 間違いなくイケるね!! 」
外国語を楽しみながら学習する、そんなことが出来るのか?
「まぁ、考えますか……」
とりあえず、ペンを持ちノートに『楽しく』と書いておく。